研究室・研究テーマ
しばらくブログを書いていませんでした。
いつの間にか4回生になり、研究室に配属されました。
知能やロボットの研究をしている研究室です。
知能情報学専攻
└ 音声メディア分野 = 奥乃・尾形研究室
├奥乃先生(教授)=音声系
└尾形先生(准教授)=知能・ロボット ← ここ
この研究室では、構成論的なアプローチで人間や生物を理解しようとしています。つまり人工的に生命らしきものや知能らしきモノを作ろうとすることで人間や生命を理解しようとしています。
准教授の尾形先生は「知能の発生には身体性が必要」というのを掲げており、また種々の実装には主にニューラルネットワークを使用しています。
そして本日のロボットチームのミーティングで卒論のテーマの参考を見せてもらいました。
- 他者認知(模倣)の研究の拡張
- モダリティ変換の研究(後述)
- 物体認知の研究の拡張
- 神経振動子を利用したリズム研究の拡張
- 相づちの研究
あと一つあった・・・なんだっけ。忘れた。
別にこれをやれと言うわけではなく例えばこんなのが有りますよ、という感じならしいです。
モダリティ
個人的に興味をもったのが「モダリティ変換の研究」。
モダリティというのは五感のこと。
人って、例えば何か音楽を聴いたとき、それって音なのにそこから視覚的なイメージを得たりするじゃないですか。
そういうふうに五感の有るものに対して他の五感が関連づけられていく過程を研究しようというのがそのテーマです。
こう聞くとそれ工学部なのか?と思うでしょうが、その研究アプローチが非常に工学部なのです。
構成論的方法と言いまして、簡単にいうと実際にロボットなりで人工知能のようなものを作ってみて果たしてモダリティの変換が行えるか、みたいな感じで研究をすすめます。
人を観察してあーだこーだ考えるより人を作っちゃえばいいじゃないという感じでしょうか。
ちなみに、このモダリティ、非常に面白いことに生まれたばかりの赤ちゃんは五感が全部ごちゃ混ぜになっているそうです。音も触覚も視覚も区別がつかない。逆にそういうところから五感が出発しているからこそ音を聞いて色が浮かんだりするわけですね。
また、共感覚といって音を聞いたときに本当になにか色が見えてしまう病気の人もいるそうです。
私は、生き物が如何にして「シンボル」を獲得するのか、という所に興味が有ります。つまり、私たちはなぜ机を机だと認識できるのか。なぜこれをコップだと認識できるのだろうか。それらがどのようにして生まれるのか、です。
モダリティの研究に興味をもった理由の一つが、音や画像が結びつけられるなにかがあるとすれば、そこには音や画像が共通にもつ何らかの「意味」が発生しているということに他ならないんじゃないか、と思っているからです。
人間が実世界のモノに意味を付与してシンボル化するという作業は非常に高等で理性的な行為のように見えますが、実際の所はそこにある漠然としたイメージ、見た目や手触りから「それを叩くとどうなるか」とかそういうことまでが全部セットになったイメージがそのモノをシンボル化させているのではないかと私は漠然と思っています。
かっこいいことを並べてみましたが実際にやる実験は外から見てみるとたぶんとってもしょぼいのですがね。
でもこれだけで決めたくはないし、他の道を探してみるにせよ、上の話を発展させてなにかやってみるにせよもう少しいろいろ考えてみたいです。